シャーピアス、略歴 

シャーピアス

シャーは、イギリス人の母とギリシャ人の父の元に生まれ、カリフォルニアのビッグ・サーで、自然や人類学、アート、神話が大好きな子供として育ちました。彼女は、自身の内にあるギリシャの伝統文化にも非常に影響を受け、彼女の祖先が暮らした村、Elatovrisiは、Delphi(デルフォイ)の古代遺跡の近くにあるのですが、そこには、かつて女神の神殿が建ち、Pythia(ピューティアー)と呼ばれる巫女が、旅人達が「汝自身を知る」ように神託を伝えていた場所でもありました。(注:Delphiの神殿には「汝自身を知れ」という格言が刻まれていたと伝えられている) 

24歳の時、人生が大きく変わるような出来事が続けて起こり、シャーは意識をリセットし、知識の探求に再び乗り出すことになりました。
シャーは、1972年、初めてヨガのクラスに参加し、同年マッサージも学び始めました。その後1977年、ダンスと音楽のバックグラウンドを持って、エサレン研究所に移り住み、そこで彼女の興味は創造的パフォーミング・アートからヒーリング・アートへと広がっていきました。1980年にはエサレンのマッサージ・スタッフとして働くようになり、4年後、エサレン®マッサージを教え始めました。
エサレンでの最初の数年間、シャーは、エサレンの偉大な教師達 --ツォンリャン・アル・ファン(世界的に有名な太極拳のマスター)、ガブリエル・ロス(フリーダンスのファイブ・リズムズの創始者)、アンナ・ハルプリン(ポスト・モダンダンスの草分け的存在)、ポール・レビロット(「人間性回復運動(ヒューンマン・ポーテンシャル・ムーブメント)」のリーダーの一人で、変容と自己成長の旅「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」のファシリテーターとして知られる)、スタニスラフ・グロフ(精神科医でトランスパーソナル心理学会の創立者の一人)、アル・ドラッカー(ロルフィングの創始者アイダ・ロルフの弟子)-- から大きな影響を受けました。また、リーアン・アイスラーの「聖杯と剣」(原題:The Chalice and the Blade*邦訳あり)、人類学者のマリヤ・ギンブタスの「女神の言葉」(原題:The Language of the Goddess)、スターホークの「聖魔女術―スパイラル・ダンス」(原題:The Spiral Dance*邦訳あり)などの著作から、聖なる女性性についての探求を深めていったのです。

シャーは聖地を訪れ、古代の地球に生きた祖先の叡智とつながることに強い関心をもち、幼小の頃、アリゾナのアナサジ洞窟遺跡で古代の叡智と深くつながり、人生観が大きく変わるような体験を得ました。後年、彼女はエサレンにおいて、ネイティブ・アメリカンの教えに出会い、メディスン・ホイールやスウェット・ロッジの伝統に強い親近感を抱くようにもなっていきました。
異文化と旅を愛するシャーは、海外でもワークショップを行っていきました。1993年にドイツで開かれたシャーマニズムとメディスンと宗教の会議(Conference on Shamanism, Medicine, and Religion)では、ヨガの講師として招かれ、また自伝的な癒しと魂の旅を題材にした一人舞台(one woman show)、「Mysterion」を上演しました。また、スイスでは女性のためのワークショップを、ギリシャや日本でも、シャーマニック・ダンスやエサレン®マッサージのワークショップを行い、今なお世界各地で活動を続けています。

★シャーが影響を受けたエサレンの教師たちの著書及び関連の邦訳書籍など
・虎を抱いて山に帰る―太極拳の本質/ツォンリャン アル・ファン (著), 櫛田 浩平(訳), ベースボール・マガジン社,1991
・魂にささげるダンス―アンナ・ハルプリンに導かれた「いのち」の軌跡/越地 清美(著), アートダ イジェスト,2001
・脳を超えて/スタニスラフ グロフ(著), 吉福 伸逸(訳), 菅 靖彦(訳), 星川 淳(訳), 春秋社,1988 など
・聖杯と剣―われらの歴史、われらの未来 (叢書・ウニベルシタス)/リーアン アイスラー(著) 野島 秀勝(訳), 法政大学出版局,1991
・The Language of the Goddess / Marija Gimbutas ,Joseph Campbell, Thames & Hudson,2001
・古ヨーロッパの神々/マリヤ ギンブタス(著), 鶴岡 真弓(訳), 言叢社,1998
・聖魔女術―スパイラル・ダンス (魔女たちの世紀) / スターホーク(著), 鏡 リュウジ(訳), 北川 達夫 (訳), 国書刊行会,1994